6問を落とさない!TOEIC Part1最短対策

「写真は見えているのに正解できない…」――Part1でつまずく原因の多くは、音から“場面の骨格”を一瞬で立てる練習不足です。本記事は、現在進行形・受動態・前置詞という頻出パターンに絞り、約25秒の運用を前提にした“聞き方”と1週間の練習メニューを提示。今日から落とせない6問に変えていきましょう。

目次

1. Part1の全体像と前提

1-1 形式と採点の土台(写真描写・6問)

Part1は1枚の写真に対し4つの英文が一度だけ流れ、最も写真を正確に描写する1つを選ぶ全6問構成です。書き取りよりも「音→意味→写真」の合流速度が勝負。リスニング全体の中でも確実に取り切りやすい“取り所”なので、ここでの取りこぼしをゼロにする設計が最優先となります。まずは「写真の骨格(主語候補/動作or状態/位置/数)」を先に固定し、音が来たらそれに合流させるという運用を標準化しましょう。

1-2 約25秒運用と“先読み”の型

各問は体感25秒前後。アナウンス中に写真を観察し、①主語候補(人/物)②主要動作・状態③位置・数の3点を素早く把握。選択肢は文頭から「動詞/態/時制」の手がかりが出るので、一語目で仮説→写真照合→不一致は即切り。A〜Dをすべて精聴する発想ではなく「仮説→照合→即断」を反復するのがコツです。

2. 出題パターンと頻出文法

2-1 人物/複数/風景の3タイプ

人物1人:ポーズ・視線・所持物・服装の描写が中心。複数人物:相互作用(話している/並んでいる)や相対位置(前後左右)が鍵。風景・物:配置や状態が主で受動態が増えがち。写真を見た瞬間に主語候補を決めるだけで、選択肢の当たり外れが大きく分かれます。

2-2 現在進行形・受動態・前置詞の使い分け

頻出は現在進行形(be -ing)と受動態(be p.p.)。「今起きている動作」なら進行形、「配置や状態」なら受動態が自然です。前置詞は on/at/in/by/under/next to/behind/near などの位置関係が軸。
例)is crossing the street/is being repaired/are arranged on the shelf など、コロケーションで束ねて耳→口→視覚を往復させて覚えましょう。

3. 正解を素早く見抜く“聞き方”

3-1 一語目で“動詞/態/時制”を仮説化

選択肢は文頭からヒントが出ます。進行形動詞なら「動作の最中」、受動なら「状態の描写」を仮説化。数詞や指示語で始まれば数や指示対象が争点。仮説→写真照合→不一致は即切りで“判断の渋滞”を防ぎます。

3-2 ひっかけ(似音/位置/数/服装)を避ける

典型的な罠:似音(row/road、wearing/holding)、位置(on/at/by/under/behind)、数(a/some/several、単複)、そして“写真にない推測語”(meeting など)。判定は「目に見える事実のみ」。内面・目的・時系列の推測は排除すると誤答が激減します。

4. 7日で底上げするロードマップ

4-1 Day1–3:語彙パック化と“骨格ワード”

まず動作動詞:hold/carry/push/pull/reach for/point at/examine/operate/adjust/fold/stack…を音+イメージ+例文で束ねます。次に受動の状態語:be seated/parked/stacked/displayed/arranged/posted…、最後に位置前置詞:on/at/by/near/next to/in front of/behind/across from/under。各セットを音読→シャドーイング→30秒口頭描写で回し、音から場面が“立ち上がる”状態に。

4-2 Day4–7:音→ディクテ→口頭描写→当て勘

1セット(10〜12分):①良問を1問聴く→②骨格語(動詞/態/前置詞/数)だけキーワード・ディクテ→③写真を30秒で英語口頭描写→④不正解3文の誤り理由を言語化→⑤同系写真で再現練習。これを毎日3セット。週末は6問×3回の模試形式で25秒運用とマークの所作を固めます。

5. デイリートレーニング(短時間×高密度)

5-1 3分×3セット:30秒描写シャドーイング

写真1枚+モデル正解文をシャドーイング→30秒で自分の英語で口頭描写→正解文と差分確認。be動詞+現在分詞/過去分詞/前置詞句の“型”を口に馴染ませることで、音からの当て勘が上がります。

5-2 10分集中:ディクテ→誤答リライト

A〜Dの全文は不要。骨格語だけディクテ→選ばなかった3文の誤りを日本語で説明→最小修正で正しく書き直す(holding→wearing など)。出題者の罠の作り方が見え、以後の判定が速くなります。

6. よくあるミスと修正

6-1 “写真にない情報”の盛りをやめる

会議している/楽しんでいる/急いでいる等、内面や目的は写真からは読めません。判断材料は動作・状態・位置・数の可視情報のみ。練習時も「見える事実だけメモ」ルールを徹底しましょう。

6-2 前置詞/数/服装の取りこぼし

前置詞は一音違いで意味激変、数は単複・数量詞で判定。服装は wearing、所持は holding/carrying で言い分け。耳のスイッチを作るため、対義セットで音読→ミニテストを習慣化します。

7. 教材と音源の使い方

7-1 公式サンプルとハンドブックの活用術

最優先は公式。サンプル音源で形式を掴み、ハンドブックでパート配列・仕様を確認。週1回は公式素材で模試(6問×3セット)を実施し、25秒運用とマークの所作を本番通りに固めます。

7-2 無料サイト/アプリの賢い使い分け

移動時間:6問1セットを耳慣らし。机ではディクテと口頭描写まで行う“TPO運用”。音源の質と設問の自然さにばらつきがあるため、公式→良質サイトの順で使うのが安全です。

8. 本番当日の戦略

8-1 マークのタイミングと“迷い切り”

各文の終了直後に〇×を決め暫定マーク。最後まで引きずらず「最も一致」に迷い切り。無音の2〜3秒を生まないことが次問の余裕をつくります。

8-2 音量・席・心拍のマネジメント

着席直後に音量の通りを確認。前寄り/スピーカー方向に近い席が理想ですが、選べない場合は姿勢と呼吸で聴覚の解像度を上げる(背筋を立て、鼻呼吸でゆっくり吸って長く吐く)。迷いが出たら深呼吸1回でリセット、次問に影響させない“切り替え”をルール化しましょう。

まとめ:Part1は“再現手順”で伸びる

Part1は仕様が安定し、学習投資に対するリターンが大きいパートです。鍵は①写真の骨格を先読みで固定、②一語目で態・時制・動詞を仮説化し写真へ合流、③進行形・受動態・前置詞をコロケーションで束ねて耳→口→視覚を往復させること。
練習はシャドーイング→ディクテ→口頭描写の短サイクルを毎日3セットで十分に効きます。週1回の公式模試で25秒運用とマークの所作を本番通りに。ひっかけ(似音/位置/数/服装)は「写真にない情報は判断材料にしない」と決めておくだけで失点が減ります。1週間のロードマップを回すだけでも正答率は目に見えて改善。ここを“取り所”に変えれば、リスニング全体の手応えは一段上がります。


この記事を書いた人
英語学習ブログ「かしぃぐりっしゅ」運営者 かっしーのプロフィール画像

かっしー
TOEIC770点 → 900点を目指して勉強中✍️
2025年10月に英検準1級を受験予定です。

独学で積み上げた学習法や教材レビューを発信中。
「効率よく成果を出す英語学習」をテーマに、ブログとXで情報をシェアしています。

Xでフォローする

目次